入れ歯が外れる理由

■口腔内と義歯との間に隙間がある

素人が一番思いつきやすい、外れる理由です。
歯ぐきが痩せたから外れやすいとは限りません。
不適合があるかどうかは、専門家が「適切に」審査することが必要です。

■関連する筋肉、粘膜が干渉している

作る段階から、口を動かしたりしても外れないように作ってあるはずですが、
加齢変化によっても口腔内が変化して外れやすくなる場合があります。

■咬み合わせが悪い場合

時間が経つと奥歯の人工歯がすり減りやりやすくなります。
そうすると、前歯が過剰に当たるようになり、外れる力が加わります。
咬み合わせの調整や、臼歯部の修理が必要となります。

■前歯が長い場合

前歯が長いと上唇が動きによって外れやすくなります。
天然の歯の並び方と、入れ歯の歯の並びを同じにできるとは限りません。

■入れ歯が短い

総入れ歯は、口腔と入れ歯が密着し、大気圧で吸盤のように着くことで維持されます。
入れ歯が短いと、外れやすくなります。

■ポストダムが不足している

総入れ歯の一番奥側にはポストダムといって、山のような盛り上がりを作って、封鎖します。
これが不十分だと外れやすくなります。

■ばねが緩い

誰でもわかるので、説明はいらないと思います。

■入れ歯安定剤を使ってはいけません

なぜ入れ歯が外れるのか、という原因を解明して対処するのが本筋です。
余分な材料が口腔と入れ歯との間に介在することで、咬み合わせが毎回変化しますし、
力の負担も変わり、長期間の下手な使用によって、歯が傾いてしまった症例もありました。
入れ歯安定剤のテレビコマーシャルでも、模型で入れ歯が歯から浮き上がっていました。
きちんとはまっていません
ところで、歯科医院で入れ歯を診てもらうときは、必ず入れ歯安定剤を除去してください。
除去しないと、修理をするにしても、新しく作るにしても、いちいち掃除しなければならず、面倒です。
治療の途中で、即座にしっかりした入れ歯を作ることができない場合に、入れ歯安定剤を使うことをお勧めする場合は極稀にありますが、
完成義歯に入れ歯安定剤の使用を勧めることはありません。